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百鬼語之一

 百物語は古くは武家の肝試しであったという。
 武家でなくとも、夜のつれづれに怪談を語ることは、時代を問わず行われてきた一種の娯楽であった。
 今よりも光源に乏しく、闇が奥行きを持っていた時代でも、
 霊が祟ることが、まことしやかにささやかれていた時代であっても、
 辻斬りが横行し、斬り合い果たし合いが現実に行われていた時代であっても、
 怪談は求められてきた。

 中には、列挙した以上に、「死」を間近に感じる生活をするものもいただろう。
 それでも怪談は求められ、語られてきたのであった。


 これは、百物語のほんの語り初めであり、あくまで一例にすぎない話である。
 幕を開くも閉ざすも、人間次第――……。


 わずかに緩められた頬のあたりは、蝋燭の光を受け止めて赤く美しい揺らめきで覆われている。 

時代物 百物語 怪談

小説情報 短編 怖い:23 ID:315963緋鷺

レンズの向こう側



 何だか寒い。それが、全てのはじまりになる感想だった。
「んんっ……疲れてるのかな……」
 六月も残すところ数日、夏と言えるこの頃になると職場も電車もクーラーを強くかけている。元々冷気に弱い遥は疲れが溜まるとそれに負けるため、毎年必ず夏風邪を引いていた。
 だから『コレ』もそんな予兆だと思ったのだ。
「なんか、気分悪い。早く寝ようか」
 独り暮らしを始めてから増えた独り言を零すとパタパタと歩き回り、その一時間後には既に夢の中である。
 街も草木も眠る午前二時。その時、それは起こった。

 ——きぃ……

 部屋ごとに門を持つ特殊なマンションで、門が小さく軋んだ。直後に一、二度の微かな足音。

 ——かさかさ、がさり

 これは『人間』という存在による、怖い怖いひと夏のお話。

サイコ OL 魚眼レンズ カメラ

小説情報 短編 怖い:49 ID:83340blazeblue

下界の皆さま、こんにちは

その街では、最近頻繁に子供を誘拐し、置き去りにするという事件が起こっていた。しかも、子供たちが置き去りにされるのは十階建てのビルの屋上や煙突の上などの、高くて誰も容易には近づけないような場所ばかりであった。犯人は何のためにそんなことをするのか。その目的は何なのか? ……そして、その魔の手は普通のサラリーマンである溝口が溺愛する一人娘にまで及ぼうとしていた。―――子供たちをつけ狙う「天狗」の正体とはいったい?

現代(モダン) 少女 置き去り事件

小説情報 連載(全6部) 怖い:59 ID:345416陸 理明

ミキサー少女

「よい……しょっと」
 額に溜まった玉のような汗を袖口で拭い、男は運んでいたトランクをゆっくりと床へ置いた。
 狭い部屋の中には男が一人。二つある窓は全てカーテンが閉め切られていて薄暗く、カーテンは動かないよう四隅がガムテープで固定されていた。フローリングの床にはブルーシートが一面に敷かれ、これもまた、動かぬようにガムテープで固定されていた。
「ごめんね、暑かったかな?」
 そう言って、男は持ち込んだトランクの留め金を外し、その中身を慎重に取り出した。
 それは、一人の少女だった。胸に校章の付いた紺色のブレザーを着ているその少女は、両腕をロープで後ろ手に縛られ、口には猿ぐつわをされていた。ぐったりと両目を閉じている様子からは、意識があるようには感じられない。
 男は、この少女に何を望むのだろうか――

犯罪者

小説情報 短編 怖い:38 ID:296143関口 太郎

赤い下敷き

 僕の出身高校には、創立30年だというのに、偉そうにも七不思議が有りました。そのどれもが、音楽室のピアノの噂だったり、化学室の人体模型の噂だったり、どこかで聞いた話ばかり。
 けれど、一つだけ、他校にない不思議な話があったんです。その話というのは、高校二年生が使う机。そのどれか一つに、一年に一度、赤い下敷きが入っているというものです。

これからここに書くのは、その噂にまつわる一つの顛末というか、その噂に関する背景になると思います。

いったいどの様な結果になったのか。とりあえずは見てみませんか?

オカルト 学校

小説情報 短編 怖い:50 ID:173714きーち

逆さ女

6年前。大学時代の夏休み。

自転車の旅を思いついた俺は、とある山へ一人で向かうことにした。辿り着いた関東某所のその山で、俺はたまたま出会った気の良いおっちゃん四人組と仲良くなる。そしてその晩、食事と酒をごちそうしてもらったついでに、道の途中にあるという『山道』の存在も教わった。登山の話をしているうちに、「山登りも面白そうだな」なんて思った。

夏の開放感と、賑やかなキャンプ場のすぐ近くということで、浮かれていたのもあるだろう。何の知識も準備も無く、ただちょっとだけ山登りの気分を楽しんでみようなんて考えなければ、あんな目に遭わずにすんだのに。

夏休み 怖い話 女 廃村

小説情報 短編 怖い:54 ID:365186石川織羽

おばあちゃんに「死ね」って言っちゃった

『おばあちゃんに「死ね」って言っちゃった』




彼はおばあちゃん子だった。おばあちゃんのことが大好きだった。
おばあちゃんは彼を大切に育て上げた。かわいい孫のためなら、と。
でも、彼はおばあちゃんを裏切ってしまい、ふたりの間に確執が生まれてしまう。
彼は反省していた。本当はおばあちゃんと仲直りしたかった。
しかし、深い深い確執を残したままおばあちゃんは亡くなってしまう。最期の最期まで、彼を恨んだまま。

これは、決して他人事ではないお話。

禁句 死ね ホームドラマ 恋愛 確執 後悔先に立たず おばあちゃん 夢 DNA 怨念 呪い

小説情報 短編 怖い:75 ID:384101中條利昭

 明晰夢。

 今、自分が夢の中にいると自覚している夢。

「おやおや? 誰かいるのかな?」

 そんな夢を見ていると目の前に女の子が現れた。

「君はどこから来たのかな?」

「どこからって……現実からかな?」

 僕の答えを聞いた女の子は目を丸くして言う。

「現実から! 答えられたのは君が初めてだよ! いつも、皆わからないんだ」

 ニコニコと笑う女の子。そして、問われた。『君の夢は何?』。

「僕は――」

 僕の夢を聞いた女の子は笑顔で言った。

「よーし! じゃあ、君の夢を叶えちゃおう!」

 そう言いながら女の子は僕の額に向かってデコピンを放った。

小説情報 短編 怖い:1 ID:329597ホッシー@VTuber

あかりのした

深夜の車中、ハンドルを握るK(仮名)は、なんとはなしに話し出した。
「そういやさ。この前、こんな風に夜走ってたら、変な女、見かけちゃってよ」
それを聞いた助手席のY(仮名)がアゴで前方を指し示す。
「もしかして、あんな感じの女か?」
そこには、街灯に向かって立っている一人の女の後ろ姿。
もう夏の盛りだというのに、暑苦しい白いコートを着ていた。
「……あいつだよ」
Kの震える声をたしなめようとしたYは凍りついた。
視線の先、近付いてくる次の街灯の下に同じ女が立っていたのだ。

現代(モダン) 霊

小説情報 短編 怖い:14 ID:272717水無 枯山水

霊視

あの夏の日。
裕樹はかけがえのない愛する人とその人との子供を失った。
そして、5年たった。
今も彼女のことを忘れきれない。

そんなとき、裕樹は会社の上司に誘われて
九州でも有数の強力なパワースポットへ。
そこで願いを込めながら石積みをしてから、
起こり始める奇妙な出来事。

裕樹は怪異や霊の類が見えるようになってしまう。
霊媒師は言う。
その力を受け入れ、死者たちの声を聞いて望みを叶えてあげていけば、
きっとあなたの人生が良くなっていくと。

そして、彼女との再会と真実

霊視 なろうコン大賞

小説情報 短編 怖い:0 ID:355362ぎーくおぶじえんど

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