参加作品一覧
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短編小説/完結済連載小説/全ての種別
『まだ間に合う! この夏に行きたい避暑地』
彼女がたまたま購入した雑誌に、そんな特集記事が組まれていた。
日本各地の穴場ともいえる避暑地が掲載されているその記事の片隅、うっかりすれば見落としてしまいそうな場所に、一枚の写真とともに小さな山村が紹介されていた。
野原一面に咲き乱れる鬼百合、むせ返りそうに濃い色をした山々、そして青く澄んだ空に白い雲。
その写真に心惹かれた僕たちは、夏休みを利用して二泊三日の短い旅に出た。
目的地は鬼百合が咲き乱れる美しい村──美花(みはな)村。
そこで、僕たちは悲しい悪夢を見た。
残酷な描写あり 大学生 幽霊 伝説 ネット小説大賞九感想
僕が体験した中でもこれ以上に身の毛のよだつ体験はした事ないね。
皆さんにも知ってもらいたい。
本当の話なんだ。
それはある夏の出来事だった。
小説を書くに当たってスランプ状態に陥った僕は、刺激を求め、三人の友人と共にとあるキャンプ場に足を運び、テントを立てていた。
照りつける太陽、むせ返るような暑さ。
僕らは川で遊んだり、虫を捕まえたりと、少年のような遊び心を思い出していた。こんな真夏日和でも久々に自然に触れる事ができた僕はこの楽しい日を満喫していた。
そして真夜中...
僕は用を足すためにトイレへと向かう。
太陽が天高く昇っている時間帯とは異なり、闇夜が一層深くなり、人間や昼行性の動物達は寝静まる。
不気味な静けさと共に訪れる鳴かない烏達。
胸騒ぎしかしない...
そこで目にしたものは...
「 ヒ ト デ ナ シ 」
本当の恐怖
人は、いつの頃から恐怖という感情を抱え込むのだろうか。
この世に生まれ落ちたときには、既にその脳髄の奥深くに刻み込まれているのだろうか。
それとも、他者によって、あるいは自らの経験によって生み出され、育まれていくものなのだろうか。
その答えが今、目の前ある。
己が過ちによって閉じられた、蓋。
蓋によって閉じ込められた、恐怖。
開けてはならぬ。
開けてはならぬ。
幾度念じても、この手は勝手に蓋へとのびていく。
まるで、自分とは別の生き物のように。
まるで、操られているように。
蓋に封じられたものの恨みの声に誘われるように。
「わたしは、恐怖を欲している」
抗いきれぬ衝動は声ならぬ声となって、今夜も甘く囁きかけてくる。
※タイトル『蓋』
日常に潜む恐怖と、そこから身を守る術をテーマにお送りします
たぶん怖くない 手料理 教訓
「結局、ポルノグラフィなんですよ! 怪談って!」
元大学教授・真也──。
久しぶりに出席した純文学関係の会合で、まだ若い美女と文学トークを楽しんでいる。
彼らの会の会報は、純文学関係のサークルなのに、夏季号にはベタに「怪談特集」を組むという。
当然フェミニズムの洗礼も受けている彼女は、彼に対しても難詰してくる。
だがそうしたフィールドこそ、かつて気鋭の新進教授のだった頃の彼の、ホームグランドなのだ!
(よし! いけるぞ! 今夜この女、喰ってやる! まずはレ・ファニュらの吸血鬼小説にみられる、「女性の墓を暴く」という行為の心理学的、あるいは文化人類学的含意について、知的ペッティングをくれてやろう!)
「文学の至極は怪談にあり」(三島由紀夫)
彼女に指摘されるまでもない!
文学なんて全て怪談!
そして全て、ポルノグラフィだ!
(でもなんか、しっくりこないんだよな……)
無理した躁状態の後ろめたさ?
(いやそうか……。あの話だ……)
やがて彼は話し始める。
彼女に?
否。
自らの悔恨の根源へ向け!
──
あのぅ、多分、R-15 じゃなくていいって思うんですけどぉ……。
R15 残酷な描写あり 都市伝説 怪談 峠 井戸 廃校 別荘 吸血鬼 猟奇 大学生 バブル ファミレス 眼鏡っ子
彼女は美しい――この世のモノとは思えないほどに。
彼女の妖美な容姿や魅惑的な香り、奏でる優美な旋律は、この世の男のみならずケダモノまでもを惹き寄せてしまう。
最早ケダモノの巣窟と化した彼女の帰宅路はカオスそのものだ。汚らしく唾液を漏らすケダモノに、周辺に散らばった男物の衣服(であっただろう布切れ)。ケダモノは長くグロテスクな舌を唇の上でうねらせて、次はお前だと言わんばかりに、狂気の混じる濁った眼で彼女を見据える。
このままでは彼女が危ない。
僕は、彼女を護る騎士|(ナイト)になると決めた。
R15 ストーカー ダーク 厨二主
長期の休みに、幼馴染のところへ遊びに行く。
久々に会った幼馴染と、おしゃべりをして、ご飯を食べて、カラオケをしたりしたあと、部屋に泊めてもらう。
普通のことだ、なんの不思議もない。
なのに、なんで、私はいつも、この部屋で眠ることができないのだろうか?
最初は疲れているからかと、思った。
でも、それが二度、三度と続くと、気のせいではないことがわかった。
あの部屋には、何かがやってくる。
それが、何かはわからないが、確実に私を連れて行こうとしている。
最初はちょっとした好奇心から、このままならどうなるか、試してみたかったんだ。
連れて行かれる、…ならば、何処へ?
「知りたい!」
その欲が、すべての始まりだった。
ここで眠ってはならない、そう言われていたのに…
呪 不思議な話 好奇心 怖くない オカルト 実在
この物語は俺、相沢直也が高校三年の秋ごろに体験したものだ。
まず、この話を始める前に俺について簡単な説明をしよう。
俺は小学生の時、ある事件をきっかけに霊感に目覚めた。
そして、中学生でオカルトの知識の収集や実際の体験談が増えていき、高大一貫の学校に入学した。
そこでオカルト研究部に所属し、そこの先輩と様々な怪奇現象を体験していった。
それから、三年になり先輩からオカルト研究部の部長を引き継ぎ、話は冒頭に戻る。
この頃は、大学に通っていた先輩が外国の大学に編入するため、先輩との思い出作りのため様々な心霊スポットを巡るオカルト一色の夏休みも終えて、先輩も留学し、新学期も始まったばかりの頃だった。
そして、新学期も始まり、1週間位たった頃からある噂が学校中に流れ始めた。
『ある教室でこっくりさんをやると必ず、怪現象が起こる』
この噂をきっかけにとあるグループのこっくりさんの騒動に巻き込まれていくことになった。
学園 こっくりさん 現代
『雪子のお化け屋敷』
雪子は小学六年生の女の子。
隣町の遊園地にお化け屋敷がオープンして父親に連れて行ってもらうのを楽しみにしていた。
しかし、父親は約束をすっぽかしてゴルフに出掛けてしまう……。
怒った雪子は、
「もう、家をお化け屋敷にしてやるから」
と、自宅を改造してお化け屋敷をオープンさせた。
約束を破った父親への面当てで始めただけで、すぐに店じまいする予定であったが、意外とお化け屋敷は盛況で、
「あんなに怖いお化け屋敷はない」
と評判になった。
雪子の雇った従業員はお化けとしか思えない風貌で、雪子が作った人形は勝手に動いているように見える。
「黒魔術で操ってるから」
と雪子はうそぶいているが……。
お化け屋敷
よく、怖い話映像とか見せられると、「夜中にトイレに行けなくなる」って言う人が居る。でも、実際の所「夜中にトイレに行けない」ぐらい、怖い目に会った人っているのだろうか。
そもそも、「夜中にトイレに行けない」ってどういう状況なんだろう。布団から出るのが怖いのだろうか。起きて立ち上がり、廊下をひとりで歩くのが怖いのか? それともまさか、トイレの中に何か居るような気がするとでも?
私は、その謎を追及すべく、謎の「語り部」の元を訪れた。
都市伝説 トイレ 下ネタ
私の手許に、一冊のノートがある。
短く、大仰しさも無い怪奇譚ばかりが何篇も綴られたノートだ。
普段は顧みられることもなく書架で眠っているが、時折取り出してはページを繰っている。
今回披露するのは、このノートからの蔵出しである。
どの話にも共通しているのは、日常の物陰から不意に転がり出て、さっと通りすぎてしまうような怪異が、何の衒いもなく横たわっている点。
時に不条理で、時に理不尽さすら覚える話
を選んでみた。
因果が明瞭でなく、尻切れトンボのようにも思える話も混じっているが、その腹に落ちない曖昧さもまた怪談の醍醐味のひとつであると考えている。
しばしお付き合い頂ければ欣幸の至りである。
――あれ、そういえばこのノート、いつ買ったんだっけ?
俺の筆跡、こんなんじゃないし……。
短編